二人の距離。



「こういうとことか。見てて飽きないから、見てていい?」

「あの、さっきから何を…?」

「嘘、冗ー談。」


整った顔を崩して、悪戯っぽく笑う橘くん。


…もう、どうしたらいいなかよく分からない……。


これ以上話かけられないように、チャイムが鳴るまでずっと下を向いていた。

その間にも、色々な所からちくちくと視線が刺さってさらに下を向いた。



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