二人の距離。
――キーンコーンカーンコーン…
鐘が鳴ると、橘くんは席を立ち「じゃーまた」とあたしに声をかけてから美佐の隣に座っていた男子と教室を出て行った。
すると直ぐさま、あたしの所にクラスの半分ぐらいの女子が群がる。
…それはやっぱり
「橘くんとどういう関係なの!?」
「同中で仲良かったの!?」
「橘くんって宮内さんのこと、好きなの!?」
など、橘くんの質問尽くしだった。
その迫力に圧倒されて、苦笑いするしかなかった。
「そんな攻めたりしたら可哀相だよ。怖いって。」
「だってさぁ〜、何か仲良いし…。うちねぇ、橘くんを追っかけてここ来たんだよ?それなのにさぁ…。」
化粧が濃いめの子が、小さくなっているあたしを見て溜息をつく。
…すいません、こんなんで……。