二人の距離。



その後ろには、橘くんの前の席に座っていた男子も。

加奈子ちゃんは、すぐに席から立って首をブンブン振った。


「な、何の話もしてないから安心して!!…あ、橘くんの後ろの人座って!!」

「え、うん…。」


――ドンッ


加奈子ちゃんが挙動不審に動き回って、勢いよくあたしの背中にぶつかった…ところに、橘くんの前の席のが通る。


「…わっ……。」


椅子ごと落ちるのを覚悟して、ぎゅっと目をつむると暖かいところに落ちたのが分かった。


…え、暖かいところ?


「っ、痛っ…。………あ、あれ?何で、上に…。」


…それは、橘くんの前の席の人の…上。


「……………。」


そこから、記憶が曖昧です。



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