二人の距離。



「紗枝のエッチー!!
…じゃないか、橘くんがエッチなの?」


顔を隠していた両手を、膝にのせて考え込んでいる。

でも、すぐに考えるのはやめてあたしの肩に寄りかかる。


「あぁ、もうお姫様抱っこされちゃって羨ましいよね〜。どんだけなのよ〜…。」


…お姫様、抱っこ??

へぇ〜すごいね〜…………え?!!


「加奈子ちゃん、今何て言った?!」

「ん?どんだけなのって言ったけど。」

「その前!!」

「…えーと、お姫様抱っこされちゃって羨ましい〜かな?
え、それがどうかしたの?」


キョトンとしてる加奈子ちゃんは肩に寄りかかって、あたしをじーっと見つめている。


「そっか、紗枝は気絶してたから知らないよね。もうすごい騒ぎだったんだから〜。あの子誰?!って。」

「…そ、そうなんだ〜…。」

「あははっ、紗枝目がめっちゃ泳いでる〜!!」


…笑ってる場合じゃないって!!



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