二人の距離。



加奈子ちゃんがあたしの肩から離れて、今まで温かかっかったところがすーっと涼しくなる。

そう、こんな風に女子は全然平気なんだけど…。


――きっと…あたしがこうなってしまった原因はあの人のせい。


「男子苦手とか、可愛いのにもったいないよね。
…でもさ?」


美佐が遠慮がちに、何か聞きたそうに首を傾げる。


…可愛いって、絶対美佐の方が可愛いのになぁ。


「うん。何?」

「こんなこと聞いたら戸惑うかもしれないけど、橘くんは平気じゃない…?」

「た、橘…くん??」


思いもよらない人が出てきて、目を見開く。


「近づいても、気絶とかしなくない?」

「……確かに、そうだね。」


言われて、初めて気づいた。

何でなんだろう…?

優しいから?男子っぽくないから?

いろいろ浮かぶも当てはまらずに浮かんでは消える。



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