二人の距離。



…ぐぅ〜っ。


「ん〜…お腹空いた…。もう、1時過ぎだよ?」


加奈子ちゃんはお腹がなって、立ち上がった。

あたしと美佐は、保健室にあった時計に目をやると確かに1時を結構過ぎていた。


「あ、本当だ。じゃあ、話しながら帰ろうか。
紗枝、大丈夫?」

「うん、大丈夫。帰ろう。」


一緒に立ち上がって、加奈子ちゃんがドアに手をかけようとすると丁度保健室の先生らしい人が入って来た。


「…え、可愛い!!保健室の先生ですか?」

「あら、ありがとうね。あなた達は新入生かしら?」

「はいっ!!」


加奈子ちゃんと先生がお喋りしていて、あたしは思わず見とれてしまった。

光に浴びて輝く、茶髪の短い髪を耳にかけて笑いながら話をするその姿はとても絵になった。

…あれ?でも、誰かに似てるような気がする……。


ふいにあたしと先生の目が合って


「あなたと…どこかで、会ったことあるかしら?」


と不思議そうに尋ねられた。



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