Believe~君が教えてくれたこと~
もやもやする気持ち
次の日も学校には行きたくなかったけど、
みんなに迷惑をかけないように嫌々学校に行くことにした
何も考えたくなくて大音量で曲を聴きながら、重い足取りでトボトボ歩いて行くと
もう朝のHRは終わり、授業が始まろうとしていた
「佐々木!遅い、遅刻だぞ!早く席につけ。」
席に着いてからはずっと窓の外を見てぼーっとしていた
授業を聞いていなくて気に入らない先生(特に数学の小林とか)が当ててきたけど、
すべて「わかりません」と言って無視をした
放課後になるとまた、居残り。
すると、いつもの居残りのメンバーの1人の子が話しかけてきた
「茉莉ちゃん。昨日、お休みだったけど大丈夫?」
この子は最近声をかけてくるようになった古川笑美(フルカワエミ)ちゃん。
名前の通り笑顔が可愛い子。1人でいる私に声をかけて、一緒に練習している子だ
「あぁ。大丈夫。」
「良かった!昨日、体育祭の競技決めたんだよ!
茉莉ちゃんは私と一緒の借り物競走だよ!がんばろうね!!」
「うん。」
「じゃあ、練習しに行こう!」
笑美ちゃんは、なんとなくだけど私の過去を知っているらしい。
だから、いろいろ聞かないでいてくれる。
少しずつ、心を開いていきたいと思った
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「バイバイ!また明日ね!」
居残り練習が終わり、帰る時にサッカー部も帰っていた
舜樹がいたけど、なんだか気まずくて知らん顔をして通ろうとした
「ま、茉莉!一緒に帰ろう」
舜樹が走ってきた。
でも、私はipodを取り出し曲を聴いて無視をしようとした
なのに
「茉莉、怒ってるの??」
「怒ってない。」
「じゃあどうして無視するの?」
「無視してない。」
「じゃあこっち向けよ!!」
肩を掴まれて向かい合うかたちになる
私は、舜樹のことが見れなくてうつむいていた
「こっち向けよ。茉莉。」
なによ。どうしてそんな優しい声で言うのよ。舜樹はズルい。
私は顔を上げた。
「ちゃんと話がしたい。」
そうして私達はまた、あのベンチに座った
「茉莉。言いにくい、辛かった過去を話さしてごめん。悪かった。
俺、あれからいろいろ考えたんだ。茉莉が、人に心を開かない理由もわかった。
少しずつでいい。俺にも心を開いて欲しい。俺が、茉莉を守ってやるから。そばにいるから。」
うつむいていた私から涙がこぼれた
梨花にも見せたことのない涙。
なんだか、舜樹なら本当にそばにいてくれる気がした
舜樹に言葉を伝えたかったのに、涙で伝えられなかった
すると、舜樹は私を優しく抱きしめてくれた