黒竜と魔法使い。~それは、恋に落ちる瞬間~
逆に、ベルデウィウスは、可憐と言っても良い少女のあまりにもありきたりな魔法使いの魔力《マナ》に少女を紹介した魔法使いをいぶかしむ。
この少女が、ベルデウィウスが求めるだけの働きを果たして行うのだろうか、と。
少女は、はっと我に返ったがその瞬間、手にした魔導書を落としてしまい慌てて拾う。
そして、拾いながら――ベルデウィウスを見上げ、
「はい。私が、魔法研究者《ディーン》のシルヴィアです。…えっと…?」
戸惑うように本を拾い上げ、
「どちらさまでしょう?」
ベルデウィスに問う。
あからさまに警戒が滲んでいる。その眼差しに、ベルデウィウスは警戒を解いた。
魔法研究者《ディーン》としては、変わり者かもしれない、と。
ベルデウィウスはシルヴィアに告げる。
「薬を調合してもらいたい。友が酷い怪我を負ってしまったので――」
「!? 怪我、ですか!?大変です!傷の具合は!?いえ、どんな傷ですか?!」
魔法書を再び落とし、けれど先ほどとは違うのは魔法書に気を取られてはいない。
ベルデウィウスの黒衣をつかみ、傷の具合を聞いてくる。
その勢いに、ベルデウィウスはたじろぐ。
「や、やけど…」
「やけど、やけどね!やけどの薬で新調合した魔法薬があるの!構想では、通常の魔法薬の100倍は効き目があるはずなのよ!」
パンと手をたたき、紫の目をキラキラとさせベルデウィウスを見つめる。
「大丈夫、きっとお友達は良くなるわ!」
頬を染め上げて、微笑む少女はそう自信たっぷりに言い放った。
確かに、変わり者というか――いや、この自信たっぷり感は魔法研究者《ディーン》そのものだと、顔が引きつるのを感じた。
魔法研究者《ディーン》とは、攻撃魔法、補助魔法、防御魔法、癒しの魔法、この四つの魔法を数式で現し、組み立て、混ぜる魔法使いのことだ。
数式だけではなく、薬学にもおよび、その知識をさらに発展させる研究をする者のことも言う。
少女―シルヴィアは薬学を主体とした魔法研究者《ディーン》のようだ。
「……二つ、聞きたいのだが…」
この少女が、ベルデウィウスが求めるだけの働きを果たして行うのだろうか、と。
少女は、はっと我に返ったがその瞬間、手にした魔導書を落としてしまい慌てて拾う。
そして、拾いながら――ベルデウィウスを見上げ、
「はい。私が、魔法研究者《ディーン》のシルヴィアです。…えっと…?」
戸惑うように本を拾い上げ、
「どちらさまでしょう?」
ベルデウィスに問う。
あからさまに警戒が滲んでいる。その眼差しに、ベルデウィウスは警戒を解いた。
魔法研究者《ディーン》としては、変わり者かもしれない、と。
ベルデウィウスはシルヴィアに告げる。
「薬を調合してもらいたい。友が酷い怪我を負ってしまったので――」
「!? 怪我、ですか!?大変です!傷の具合は!?いえ、どんな傷ですか?!」
魔法書を再び落とし、けれど先ほどとは違うのは魔法書に気を取られてはいない。
ベルデウィウスの黒衣をつかみ、傷の具合を聞いてくる。
その勢いに、ベルデウィウスはたじろぐ。
「や、やけど…」
「やけど、やけどね!やけどの薬で新調合した魔法薬があるの!構想では、通常の魔法薬の100倍は効き目があるはずなのよ!」
パンと手をたたき、紫の目をキラキラとさせベルデウィウスを見つめる。
「大丈夫、きっとお友達は良くなるわ!」
頬を染め上げて、微笑む少女はそう自信たっぷりに言い放った。
確かに、変わり者というか――いや、この自信たっぷり感は魔法研究者《ディーン》そのものだと、顔が引きつるのを感じた。
魔法研究者《ディーン》とは、攻撃魔法、補助魔法、防御魔法、癒しの魔法、この四つの魔法を数式で現し、組み立て、混ぜる魔法使いのことだ。
数式だけではなく、薬学にもおよび、その知識をさらに発展させる研究をする者のことも言う。
少女―シルヴィアは薬学を主体とした魔法研究者《ディーン》のようだ。
「……二つ、聞きたいのだが…」