【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
“俺”
――……。
……。
あれから3日が経った。
真由からの連絡は何も無く、俺が真由へ連絡することも無かった。
アイツが俺をどう思ってるのかがわからなくて、怖い。
もしかしたらアイツは、俺のことを嫌いになってしまったかもしれない。と、そう思ったら連絡するのが怖かった。
「…暇だな」
うだるような暑さの中で出かける気にはなれず…冷房の効いた部屋のソファーに寝転がり、ボケーっとテレビを見る。
真由は今、何してんのかな…。
水族館でのことが無けりゃ、きっとアイツはこの部屋に来て「龍輝さんご飯作ってー」とか言って笑ってただろうな。
…あの時、全部を話していればこんなことにはならなかっただろうか?
いや…、話していたら、絶対に真由を傷つけた。
そんなの、ダメだ。
……だけど結局俺は、真由を傷つけた。
傷つけてしまったから、今、俺と真由は離れてる…。
「…何が正解だったんだろうな」
ポツリ呟き、そっと静かに息を吐く。
「…沢良木、か」
沢良木
サワラギ
さわらぎ…。
「先輩…」
……“また”俺から奪うんですか、先輩。