【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
…真由が居てくれるから、俺は俺らしく笑っていられる。
俺は、アイツがダメなんだ。
『…真由ちゃんのこと、本当に好きなんだな』
電話の向こうで温かく笑う健吾。
それに対する俺は、
「愛してんだよ」
と、笑って答えた。
……。
その後、俺たちは色々な話をし、どんな話でも笑っていた。
『やっぱ、龍輝と喋んのは楽しいな』
「俺も、健吾と話すのが一番楽しいかも」
『大雅と話すと絶対アイツのペースに嵌まるし、朔也は俺の話を聞いてくれるのは良いけど、受け答えがクールすぎる』
「あ、すげーわかる」
『わかるだろー?
その点お前と俺は、共鳴し合うっつーの?
なんでも気軽に色んな話が出来るじゃん。 だからすげー楽しい。
まぁ、昔のお前はちょっと接しにくい雰囲気だったけど。
今のお前はマジで良い奴だよ』
「なんじゃそりゃ?
俺、全然変わんねぇだろ?」
『いや、話しやすくなったよ。
丸くなったっつーのかな。 笑顔も優しくなった』