【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
その後…、
――……。
……。
翌日。
真由をマンションに呼び、久しぶりに手料理を振る舞うことにした。
と言っても、食材はまだほとんど何も無いから、作るのは簡単に出来るペペロンチーノだ。
パスタを茹でながらフライパンの準備をし、チラリと時計を見て僅かに息を吐く。
…実は今日このあと、朔也も来る予定になっている。
もちろんその理由は「夏休みの課題の為」だ。
…ほんっと俺、アイツに助けてもらってばっかりだなぁ。
いつも助けてくれてるアイツに、何かお礼出来ないかな?
んー…。
問題1つにつき缶コーヒー1本プレゼント!! とか言ったら、アイツ絶対「アホか」って言うよなぁ…。
まぁ確かにアホな発想だとは思うけど。
でも、他に何があるだろう? 俺には何が出来るだろう?
そんなことをボーッと考えていた時、冷蔵庫に寄りかかった真由が俺を見た。
「ねぇ龍輝さん、昨日の花火大会にまつわるジンクスって知ってる?」