【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
「大雅ちょうどよかった、天ぷら揚げすぎちまって…って、真由? なんでお前まで?」
つーか、なんで大雅と一緒?
「今日デートしてたんだ。ねー?」
ふわり、大雅が真由の肩を抱く。
「…デート、ねぇ…」
つまり、大雅と真由は連絡を取り合ってたってこと?
“俺”には何も無かったのに、大雅には平気で連絡してたのか?
いや…、大雅だからこそ、連絡がしやすかった?
……ヤバいな、俺。
大丈夫だって言い聞かせたはずなのに、また余計なこと考えてる。
平常心保てよ、俺。
「いただきまーす」
…まだ天ぷらを揚げている俺を尻目に、大雅は容赦無くがっつく。
「…お前はほんと、食う専門だよな」
呆れながら声をかける。
と同時に、変わらない大雅を見たら少しだけ落ち着くことが出来た。