【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
俺は真由が好きだ。
そして、これから先も真由とずっと一緒に居たい。
俺が選んだ道は、それなんだ。
……隣に座る真由の唇に自分の唇を重ね、そして、ゆっくりと首筋へと移動していく。
「先輩のことも元カノのことも、今はもうどうでもいい」
…真由のすべてが欲しい。
すべてを、感じたい。
「今日は俺と一晩中一緒だけど、どうする?」
「ど、どうって…」
真由の顔が、カーッと赤くなる。
すっげ、可愛い。
「キスだけで終わりたい?それともその先に進みたい?」
…って、ちょっと苛めすぎ?
でもこれ、マジでヤバいな。
真由のこと、壊したい…。
そう思った瞬間に、真由の体がサッと離れて遠くなる。
「あ、あの、私っ…着替えとか全然何も持ってないんでっ…何か買いに行きません…!?」
……ったく、ここで逃げるか普通?
まぁ、真由らしいっちゃ、らしいけどさ。
でも今は、逃げて欲しくなかったな…。
……でも真由に無理させたくないから…、気持ちを落ち着かせるためにふっと息を吐き出し、髪の毛をかき上げる。
「じゃあ、出かける準備してくるから待ってて」
ぽんぽん、と真由の頭を叩き、ゆっくりと立ち上がる。