【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐


……。


買い物を終えた俺たちは、借りてきたDVDを見ることにした。

真由は見たことがあるらしいけど、俺は初めて見る。


色彩が美しく、世界観が凄い。

どうして今まで見ていなかったんだろう?と、後悔してしまうくらいだ。


すっかり話に引き込まれ、3時間の映画をノンストップで見終えた時、
隣に居る真由が寝てることに気が付いた。




無防備な、寝顔。


「…襲っちゃうよ?」


なんて声をかけてみるけれど、反応は無い。


「俺と二人きりなのに、よく普通に寝られるなぁ」


苦笑気味に言ってもやっぱり反応は無くて、真由は気持ち良さそうに寝息をたてている。



「…ったく、世話のかかる女だな」


小さな小さな笑みと共に真由の体を抱え上げ、ベッドへと運んだ。




……。




それから、どれくらい経っただろうか。

気持ち良さそうに眠る真由を隣で見つめ、髪を撫でた時。


真由が僅かに反応し、ゆっくりと目を開く。




「…お、はようございます…」

「ん、まだ3時過ぎだけどな」


「そ、そうなんですか…」


凄く驚いた顔の真由。 だけどそれでも目は真っ直ぐに俺を見つめてる。


「ごめんなさい、私、知らない間に寝てたみたいで…」

「うん」


「あ、あのっ…ずっと起きてたんですか…?」

「んや、俺も今起きたとこ」


にっこり笑って言うと、真由はすぐさま顔を赤くした。

…やっぱ、可愛いなぁ。
あぁヤバい、キスしたい。

でも絶対、キスだけで止まんない。




今のこの雰囲気を、壊したくない。

それに、真由のことが大事だから…、怖い思いは、させたくない。


そう思ったから、何気無い話をして笑っていたけれど。

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