【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
家族
――……。
……。
数日後。
あの日以来、真由とは会っていない。
それでも毎日メールしていたし、電話で話したりもしていた。
お互いに、ちょっと照れたような感じではあったけど。
でもそれでも、真由との日常が戻ってきた。
また二人で一緒に居られる。 それが嬉しいし、幸せだった。
そんな時、
♪〜♪〜♪〜
1本の電話により、日常に変化が訪れる。
「はい、こちら笠井 龍輝直通電話」
『あはは、相変わらず元気そうだね?龍輝』
「そういうアンタも元気そうだなぁ」
『うん、元気だよー。 家族みんな元気過ぎて困っちゃうくらい!!』
懐かしいその声に思わず笑みがこぼれる。
彼女の名前は、横山 美奈(ヨコヤマ ミナ)。
死んだ親父の再婚相手であり、俺を育ててくれた女。
「で、急にどうした?」
『どうした?じゃないでしょー。
夏休みに入ったら連絡してって言ったの忘れた?
朔也くんたちと楽しく過ごしてるのはわかるけどね、たまにはこっちに帰ってきてよ』
あぁ…そういえば、「夏休みになったら連絡してね!!」って言われてたっけ。
「じゃあ、今から行く」
『そう言うと思ったー。から、下に来てるよー!!』
…え、マジで?