【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
「俺の最強テクニックで真由ちゃんをイチコロに!」
「あーはいはい、テキトーに頑張れ」
「うっわ、何その呆れ顔。
俺、結構マジで言ってんだけどー?」
…マジな奴がそんなニヤけ顔で言うかよ。
て言うか、なんでコイツは俺に殴られるようなことばっかり言うかなぁ…。
「……好きなら好きってちゃんと伝えりゃいいのに…」
ボソッ…と言った俺を見て、大雅は即座に首を傾げた。
「なに、なんて言った?」
「…なんでもねーよ。
つーか大雅、用が済んだのならサッサと帰れ。
俺は荷造りで忙しいんだよ」
「え、お前そんなにすぐ横山さん家行っちゃうの?」
「明日が終わればすぐ行く。
だから朔也にカギ渡したんだろ」
「…そのカギ、今は俺が持ってるけど?」
…あ。
そういえばそうだった。
「じゃあカギ返せ」
「えー? 今日泊めてよ。そうすれば一件落着!」
「…まぁ別にいいけど。冷蔵庫には腐りかけの野菜しかねーぞ?」
「買い置きカップ麺があるから平気。
つーかさ、龍輝と朔ちゃんってやっぱりデキてんの?」
…は?