【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐


…なんでこんなことを言ってるのか、自分でもよくわからない。
でも、話さなきゃいけないことなんだと思う。


「…お前が真由をフッた日に、俺と真由は出会って…、そして4月に再会した。
俺たち、偶然同じ学校だったんだ。
そこでお互いの名前を知って、一緒の時間が増えていった」


…真由と出会った日のこと、再会した時のこと、映画館に行ったこと、ゲーセンでぬいぐるみを取ったこと…、色々なことが思い出される。


「クリスマスに会った時は別になんとも思ってなかった。
だけど学校で再会して、一緒に過ごすようになって…“運命かもしれない”って本気で思った。
“運命の出会い”とか“赤い糸”とか、そんなもんあるわけねーじゃん。って思ってた俺が、真由に運命を感じたんだ」


…俺はアイツのことをすげー傷つけたし、今も傷つけてしまっている。
アイツだけじゃなくて、朔也や大雅のことだって傷つけてしまっている。

……だけどそれでも、やっぱり俺は真由のそばに居たい。


アイツとの道をこれからも歩んでいきたい。


「…真由を愛してる。
だから絶対に、譲れない」


沢良木にも朔也にも大雅にも、絶対に奪わせやしない。




「あの女は、一生俺のものだ」


この想いは、絶対に譲れない。

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