【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
ヤバい。
そうわかってるのに、頭ん中には先輩のことばかりが浮かぶ。
沢良木先輩と、そして、元カノ…。
俺のすべてだった日々が、鮮明に浮かぶ。
ヤバい。
どうする?
どうすればいい…?
真由にすべてを話そうか?
…いや、こんなところで言うことじゃないだろ?
真由の笑顔が消えるってわかってるコトを、言えるはずがない。
「…龍輝さん…?」
……やっべぇ。
頭ん中では「ダメ」だってわかってんのに。
なのに…――、
「…別に、なんもねぇって」
――…荒れてた頃の“俺”が、甦る。