【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
……。
そんなこんなで、家族みんなで楽しい生活を送っていた時、
【 電話してもいいですか? 】
と、真由からメールが届いた。
ちょうどみんな出掛けてて居なかったし、【 いいよ 】と返事するよりも電話した方が早いと思ったから、そのまま電話をかけることにした。
『もしもし!?』
すぐに出た真由は、予想通りの驚いた声。
それに笑みを浮かべつつ、何かあったのかな?と尋ねると。
『あ、あのっ…朔也さんが大雅さんを好きでっ、でも何もしなくていいって言われて…!!
えっと、そのっ…!! 龍輝さんはどう思います!?』
「は? 何、朔也が大雅を好き?」
…なんじゃそりゃ。
アイツら、実は既にデキてたのか?
「ご、ごめんなさい違うんです!!」
…まぁ、普通に考えりゃ、違うよな。
……アイツらが同じベッドで寝てんのを想像したら、それはそれで似合ってるなぁと思っちゃったけど。
「んーと。とりあえず落ち着け、今どこ?」
『あっ…龍輝さんの部屋…。
昨日みんなで泊まって…今は一人…』
「みんなって…、何?アイツらと寝たの?」
『えっと…、私と優ちゃんが同じ部屋で寝て、あとは皆さんバラバラに寝た。と思います』
…部屋は別だったとしても、俺の知らないところで男と同じ家ん中に泊まったっつーのは、なんか嫌な気分だな…。
「…んで、大雅に何かされたの?」
アイツ、酒飲むとすぐベタベタ絡むからなぁ…。
まぁ、それが終わるとパタッと寝ちまうから楽っちゃ楽だけど。
でも真由が言うには、大雅に何かされたわけじゃないらしい。
『…龍輝さんの気持ちを聞いてみたいなぁ、と思って…』
「…俺の気持ち?」
『うん』
そう返事をしたあと、ゆっくりと話していく真由。
…それは、朔也についての話だった。
アイツの想いを知りながら“今”を生きている。ということについての話だ。
俺がずっと悩んでいたことを、真由も今、悩んでいる。