【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
苦しめてるとか、辛いとか…、そういう風に考えでしまうこともある。
いや…、「考えるな」って方が無理だ。
アイツの想いに戸惑ったり、不安になったり、苦しくなったり…、絶対に色々考えてしまう。
だけどそれでも、俺たちと居る“今”を選んだのはアイツ自身。
そして俺も、“今”を選んだんだ。
真由と一緒に居て、朔也とも一緒に居る。
そして大雅も居て、健吾や優も居る。
俺たちはみんな、自分で“今”を選んだんだ。
だから俺たちはその道を行くだけだ。
「アイツが何か言ってきたら、そん時は色々話す。
それでいい、と俺は思う」
と言いながら、小さく笑う。
真由は多分、納得の行かない顔してると思うけど…、でも、これ以上の言葉は見つからなかった。
「アイツはアイツなりに考えて、それでちゃんと答えを出すと思う」
そう伝えたあと、そろそろ美奈が帰ってくる時間だったから、電話を切ることにした。
……けど、美奈が帰ってきたのはその20分後だった。
そんなにかかるなら、もう少し真由と話してりゃ良かったな…。
なんて思いながら髪の毛をかき上げた時、