【完】Secret Story ‐笠井 龍輝‐
そこで決まったのは、
・花火大会の二日前から携帯の電源を切っておくこと。
・花火大会当日、大雅が真由を“予定の場所”に連れてきて久々の再会。二人で花火を見る。
・花火のあと、駅前に集合。
まぁこんなところだ。
電源を切っておくのは、「より驚かす為」と大雅が提案した。
“予定の場所”というのは、大雅曰く「カップルで見るには最高の場所」らしい。
…大雅のことだから、いつもその場所で女を落としてんだろうなぁ…。
つまりは、常套(じょうとう)手段。ってか。
んー…。
不安というかなんというか…、なんか、あんまり良い場所じゃないイメージになってきた…。
で、真由と花火を見終わったあと、駅前で待つ大雅と朔也に再会、と。
「健ちゃんと優ちゃんには俺から話しとく。
まぁ、言わなくてもあの二人はあっという間にどっかに消えそうだけどね」
「だな」
健吾と優は、気付くといつも二人で消えている。
恋人らしく、デートを楽しんでるんだろうなぁ。
と思いながら、ふと、気になった。
そういえば俺、真由と二人で出掛けたりとかはあんまり無いかもしれない。