眠っているから来て




衣擦れの音がする。
私は少し目を開いて耳を澄ます。

あなたの足音が近づき
ベッドが軋む。
私は慌てて目を瞑る。

あなたが私の顔を静かに覗きこむ気配がする。

私は眠ったふり。

しばらくしてあなたが私の頬を軽くつついた。

私は「う……ん。」と声を出して少し動き
まだ眠っているふりをし続ける。

あなたの反応を感じたいから。




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