略奪愛の結末

カーテンで仕切られた空間で
私は現実を受け止めることができずにいた。


私　もう赤ちゃんできないんだって……。

先生がまだ若いからなんとかその道はないかと
探ったんだけど
ひどい状態で時間がかかれば　私の命がないと判断したって


子宮全摘手術


子宮がなくなった・・・・・。


初めての妊娠の時　筋腫があるとは言われた。
そのせいなのか　流産した時
これからのこともあるからしっかり治療するように
って言われたのに……


あの時は子供が流産したことばかりで
自分の体のことなんて顧みることもしなかった。


もう赤ちゃんを産めない・・・・・。


こんな人生になるなら死んだ方がよかった。


篤朗は　子供がたくさん欲しいって言ってたのに……


優柔不断な私への　死んでしまった赤ちゃんからの罰……。


もう篤朗と一緒にいる夢を見ることもできなくなった。
篤朗には　元気で可愛い人がいい。

涙があふれ出す。


「篤朗…ごめんね……。」


まっすぐに私を愛してくれている篤朗が
このことを知ったらきっと
そんなこと大したことじゃない　そう言って
私を抱きしめてくれるだろう……。


抱きしめてもらいたい


だけど……それはいけないことだと思った。
篤朗が語る未来には　必ず子供の話が出てきた。
二人で家族を作って　そして　子供が増えて

子供の成長を一緒に楽しみたい
それが　篤朗の一番の　夢だから・・・・・。