略奪愛の結末
それから何度も 卓朗はやってくるようになった。

「どうして連れてくるの?
好きじゃないんでしょう?」

「友達だもの。篤朗のお兄さんだよ。
ダメなの?」

「悪いけど…私は感心しないの。」

「じゃあ 恋してるっていったら?」

「え?」

「いいじゃん おねえちゃんの見えるとこで
会ってるんだから。」

「あの人のこと知ってる?
マリみたいな子が近づいたら痛い目に合うよ?」

「そんなのわかんないじゃん。
優しくて素敵な人だよ。篤朗のお兄ちゃんだし。」


「マリ!!」
思わずきつく叫んだ。


「うるさい!!おねえちゃん 黙ってて!!」

マリは部屋に閉じこもった。

いやな予感は的中した。
もう私の生きがいは マリしかいないのに
何のために こんなにマリを大切にしてきたのか


それは素敵な男性に マリを手渡すために
背中を押すためだったのに・・・・・。

卓朗がその相手だとしたら


私は首を振る。


絶対に泣かされるから・・・・・・
そうなる前に 何とかしても終わらせなきゃ……。

マリには私の分も幸せになって
いつかマリの赤ちゃんを私が抱かせてもらいたい

その相手が卓朗なのは許せなかった。
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