略奪愛の結末
日曜日の午前中のことだった 何度も鳴る
インターフォンに 前日の深酒で二日酔いのまま出ると
メグが立っていた。

心臓が音をたてた。


メグ?

「篤朗 よくもずっとずっと相手にしてくれないで。」

目をこすると マリだった。

「なんだ マリか。」思わず落胆する。

「なんだって何よ。失礼ね。
頭ボサボサ~~酒くさいし・・・・。」

「気にすんな 寒いから早く用件は?」

「いいよ 入るから。」

強引に中に入ってきた。

「うわ 汚い~~~。」

「いいから 何?俺 具合悪いんだって。」

マリは ニッコリ微笑んで
「お掃除してあげる。」と言った。

「いいよ。そんなことしなくても 頭痛いし 寝かせて。」

「篤朗は寝てていいから うちがやる。」

マリの天真爛漫さは メグが
必死に守り抜いてきたから

メグの一番の宝物が 愛おしく見えた。
これからもきっと
メグは マリを大切にするんだろう。


メグがよく部屋を片付けてくれた。
手際よく動いては

「洗濯もの 乾いているんだから
早くかたづけなきゃ ダメよ。」そう言って微笑む。

マリが
「もう 洗濯もの乾いてるんだから
ちゃんと片づけないと~。」と言った。

まるでメグがいるような錯覚をする。

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