略奪愛の結末
かあさんから正月くらい顔を出せと
しつこいくらい電話があって

久しぶりに実家に顔を出す。
兄と会うのが憂鬱だったけど 車がなくてホッとした。

久々に行くと 両親受けがいいのか
あれこれと母親は 料理を出して食べろ 食べろと言った。

父親はビールを注いでくれた。

最近の仕事の話をして 時間を過ごしていると
電話が鳴って


母親が
「大変よ 卓朗がお客さん連れてくるって。
篤朗が来てるからって言ったら 
紹介したいから待ってるようにって
まさか 恋人かしら…。」

「女なんて今までたくさんいただろう?」
俺が言うと

「そうだけど 最近はずっと見なかったし
紹介したいなんて言うの 初めてだもの。」

母親は冷蔵庫の中から食材を出して
慌てて料理を作り始める。


「あいつもいい人見つけて
まともに生きてほしいな…プライドだけでは
生きていくのは壁が高い。」

父親はそういうと俺のコップに
ビールを注いだ。


俺は別に会いたくもない・・・
興味もない・・・・・。


だけど 多分特別な女を連れてくるという興味はあった。

そこらへんにいる女なら
今まで通りなんだろうけど
俺にまで紹介したいっていうんだから
それなりの女なのかとか


そうしてると インターフォンが鳴って
母親が飛び出していった。
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