略奪愛の結末
玄関が騒がしかった。

「どうぞ どうぞ さぁ あがって。」

「いえ そんな
ちょっと……せっかくですけど……。」

「いいじゃん。
両親にも合わせたかったし…
入りなよ。」

相手の女は 家には上がりたくなさそうだった。

その声になぜか聞き覚えがあった。

「おとうさん いらしたわよ。」

リビングに押されるように入ってきたのは
メグだった。

一瞬 俺たちは目が合って止まった。

「紹介するよ。
俺の長年の片思いの人なんだ。
道下 メグさん……。今 付き合ってんだ。」

「ちょ…何……。」

俺の心が音をたてた。

「あら~~こんな可愛らしい人……
卓朗の母です。よろしくね。ほら おとうさん
篤朗~挨拶して~~。」

メグが困惑しているように感じたのは
俺がいて罰がわるかったからか

「きれいな人だな。卓朗 おまえ目がいいぞ。」

「だろ?マジにそこらへんにいないから。
篤朗は 知ってるだろ?」

「あの……。」メグの言葉を遮るように

「篤朗は メグの妹の家庭教師してたんだよな。
後輩だからさ 篤朗は。」

「あら あのお嬢さんの…おねえさんなの!?
ほら篤朗の部屋にいた 可愛い子!!」

また一瞬メグと目が合った。
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