略奪愛の結末
「何?部屋に呼ぶ仲なの?
いいじゃん~~道下の美人姉妹を俺ら兄弟で
独り占めするなんてさ。
おまえもなかなかお目が高いな~~。
ソックリだよね 最近
マリちゃん メグに似てきたよな。
たまにドキってするよ。」

今日の兄貴は とにかくテンションが高い。

「ほら座って座って~~。」

母親がメグを座らせる。

「篤朗もマリちゃん呼んでよ。
可愛かったものね。おねえさんによく似てるわ。」

母親がうるさくまくしあげる

「ビール…注いでくれるかな。」

父親もメグの登場に嬉しそうだった。

俺はマリの言葉を思い出していた。


最近 彼氏ができた

まさか それってこいつのことか?

不倫相手って俺には言ってたのに……?

メグに問い詰めたい衝動にかられる。


メグの視線は下に移っていた。

しばらく座っていた二人だったが

「俺の部屋に行こうか。」兄貴が立ち上がる。

「ゆっくりしていって。」母親が声をかけると

「ごちそうさまでした。」

力ない声がリビングに響いた。

穴が開くほどメグの背中を見つめていた。

何かの誤解だろ?
他の男ならまだしも 兄貴だけには絶対に嫌だと思った。


ありえない………
地獄から また更に深い地獄に
落とされた気がした。
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