略奪愛の結末
二人が二階にあがってから 気になって仕方がなかった。

メグが何で兄貴と?
何度もマリの 話が浮かんできた。

兄貴と付き合ってんのか?
まさか
じゃあ俺に 嘘をついたのか・・・・・。

絶望と怒りがこみあげる。
兄貴だけは許せなかった。
俺の長年の劣等感が嫉妬として湧き上がった。

恐る恐る自分も部屋に向かった。
階段を上る足が震えていた。


「どうして・・・外行こうよ…。
ここじゃ…イヤ……。」兄貴の部屋からメグの声がした。

「何で?いいじゃん?」

「話が違うわ。ご両親までいらして……
留守だって言ったじゃない……。」

「出かけるって言ってたのに おかしいな~。
おまけに篤朗までいたし…びっくりだ。」

心臓が張り裂けそうだった。

「やめて……お願いだから…ここはイヤよ。」

「どうして?俺の部屋だよ。
誰も上がって来ない。多少声出したって……
隣に篤朗がいない限り 聞こえないよ。」

物音がした。

「とにかくここはイヤ……。絶対イヤ!!!」

兄貴がメグを・・・・・抑え込んでるのか?

「ねぇ……お願い……。」

「ホテルだったらいいのか?
じゃあさ 何でもしていいのか?」

「ここだけは…イヤなの……お願いだから
違うところにして…いうこと聞くから……お願い……。」

兄貴の部屋からこもったように聞こえるメグの声は
泣いているように聞こえた。
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