略奪愛の結末
慌ててリビングに戻った。
盗み聞きしてるなんて見られたら
そう思うだけで情けなくなった。

すぐに兄貴に手を引っ張られたようなメグが下りてきて

「突然おじゃましてすみませんでした。
ごちそうさまでした。」と丁寧にあいさつした。

「今度は マリちゃん連れてきて!!
あの子は明るくて元気で可愛いし 篤朗
早く彼女にしてしまいなさい!!」

空気の読めない母親がそう言って 二人を送り出す。

「俺も そろそろ…帰るよ。」

頭の中が大混乱している。
メグに話を聞きたかった。


今さら何になる?
だけどアイツだけはやめとけよ

そう言いたい。

いや やめてくれ
頼むから そんなに近くで 他の男のものになるな…。


繁華街に繰り出した。
けっこう空いてる店は多い。

今夜も浴びるほど酒を飲む。
今日見たことから 逃げるように……
俺を見て 困惑したメグを思い出して また酒を飲んだ。

昼から飲んでる酒はいったいどんくらいだろ。
どうやって帰ってきたのか…気がつくと部屋の前にいた。

メグの気配が残るこの部屋が辛かった。

何で 兄貴と・・・・・。

俺に嘘ついたんだ?


冷蔵庫からまた 缶ビールを出した。
もう味なんかわかんないけど メグから逃げ出したくて
飲んでたのに……メグ


メグ……

新年迎えて 捨てられた女の名前を叫んだ。
今年は絶対にいい年にならない気がした。

メグ……

おまえがいない人生なら 
俺の人生なんてクズみたいなもなんだ……。


今頃…兄貴と 何してんだよ。
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