略奪愛の結末
「マリ……おまえ 初めてだったのか?」

「そうだよ でも気にしないで。
どうせいつかすることだもん。篤朗にあげられて
すっごく嬉しかったよ。」

「痛かったんだろ?俺 自分のことばっかで
労わってもあげられなくて…言ってくれればよかったのに。」

「言ったら 抱いてくれなかったでしょ?」

「そ……それはそうだけど…。」

「初めてだから 責任とってとか言わないし。」

冷や汗が出そうだった。
本当に俺は最低男だと思った。

「おねえちゃんのこと 忘れた方がいいよ。
おねえちゃんは篤朗のこと好きにならないよ。」

決めつけた言い方にムッときた。

「好きだったよ。」

「ん?何?」

「俺のこと愛してるって言ってくれたよ。」

こうなったらもう言ってしまえ。
じゃないと 俺 痛すぎるだろう。
マリにバカにされ続けられそうだし・・・・。


「え?」マリの表情が固まった。

その様子に俺も ちょっと戸惑った。


「おねえちゃん…篤朗と何か…あったの?」

裸のマリが近づいてきた。

「俺はメグと結婚するつもりだったよ。
病気になった後も変わらなかった。だけど
振られた……。」

「結婚?」

「この部屋で将来を誓い合った。」

「は?」

「だから信じらんないんだ。何で兄貴と付き合ってんだ?」

「いつから?いつから付き合ってたの?」

マリの顔が 冷たい無表情に変わった。
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