略奪愛の結末
メグには深く話せなかった。
話したら 俺とマリとのことが知られてしまう


それが怖かった。

なぜ 兄貴が好きなのに 俺とああなったんだろう。
不思議でたまらなかった。
兄貴とマリに接点が見つからなかった。

「あの日 篤朗に会ってたまらなかった。
逸見は 多分わざとに篤朗に見せつけたんだろうって
そう思ったわ。」


「あの日 あれからどうしたんだ?」

おねえちゃんは 彼氏とお泊りって言ってた。

「私と一度だけしたら マリには手を出さないって
言ったけど 私 篤朗を見たらもう 胸が張り裂けそうだった。
心がぐちゃぐちゃになりそうでたまらなくて…
どうしても抱かれたくなくなっちゃった。
途中で逃げ出して 近くのカラオケボックスで
歌…歌いまくって朝まで過ごしたの。」

「そうだったんだ。」

愛しくて抱きしめた。

「私…あなたの胸に飛び込んでいい?」

「あたりまえだよ。」

「マリに話してみる・・・・。」

心臓がドキンとした。

「あ あのさ……。」

俺は言葉を必死に探す。

「俺から 話していい?」

メグに あの日のこと知られたくない


「え?」

「おねえちゃんをもらうんだからちゃんと
話しておきたいんだ 大切にするからって…。」

メグが涙ぐんだ。

胸に刃が突き刺さった。
< 144 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop