略奪愛の結末
あれから悩み続けて やっとマリに連絡したのは
もう雪解けが始まった頃になった。

忙しいというばかりで なかなか進まない俺に
メグも少し呆れ始めていたから
勇気を出して メールをしたら
すんなり 会う約束ができた。


「久しぶりだね 元気だったか?」

「うん。篤朗も…元気そうだね。」

マリのまっすぐな目をそらす。

「ちょっと元気ないって心配してたよ。
大丈夫か?」

「誰が?」

「メグ……。」

「おねえちゃんと また会ってるの?」

マリは驚いた顔をした。

「別れたんじゃなかった?」

「いや……。今日はそのことで話があったんだ。」

心臓が壊れそうに動いている。

「俺とメグのことで すごく怒って帰ったけど
別に悪気があったわけじゃなくて……
マリを大切に思ってたから…まだ言う時じゃないって
そう決断したんだ。
俺は言いたかったけど すぐにでも結婚したかたし
だけどさ どうしても俺は メグにとっては
マリの次なんだ。嫉妬しても マリには勝てない。」

「いい人ぶって…どうだっていいよ。」

「そういう言い方やめろよ!!どれだけ
おまえのために やりたかったこと我慢したと思う?
進学あきらめて就職したのも マリといられる
居場所がほしかったから 結婚しなかったのだって
マリが落ち着くまでとか…メグは
おまえのためだけに生きてきたんだよ。
わかってやれよ。誰が見ても メグが
おまえを愛してんの わかるし。そのおまえが
わかってあげられなかったら メグがかわいそうだよ。」

思わず声を張り上げた。
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