略奪愛の結末
女優
あれから毎日 私は泣いている。
夢だった 篤朗と一つになった 天国から地獄へ
まっさかさまだった。

私は篤朗をやっと手に入れたつもりだった。
篤朗の寝顔を見ながら ここまできたらあと一歩
傷心の篤朗を完全にものにできるのは
たやすいことだと思っていた。


篤朗の兄 卓朗をうまく動かして姉の注意をそらす。


卓朗から 姉は自分のことが好きだったのに
私がいるから 付き合ってもらえなかった
そんなことも言ってたし

姉は病気になって 恋人を送り出して
今 まさにどうしようもない 寂しさの中にいる。
そこを卓朗のおしの強さで 押し倒して
そして今まであまり幸せに対して後ろ向きだった姉を
奪って行ってもらおうなんて思っていた。


篤朗が姉に恋してることだって知ってたし

でもそれだって一方的な片思いだと思っていた。

あの朝 篤朗から聞いた衝撃の言葉
二人が付き合っていた


私に知られぬよう 
隠してきたという事実に
何も知らなかった自分が 情けなく滑稽で
痛すぎた・・・・・。


私が事を起こす前に
二人がつながっていたなんて


だから許せなかった。
私が今まで篤朗をどれだけ想っていたのか

それを全部 否定されたようで
絶対に許せなかった。
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