略奪愛の結末
「マリ ちょっといい?」

姉に声をかけられた時 私はちょうど
つわりの症状でトイレに駆け込んだ後のことだった。

「顔色悪いけど…何かあったの?」

「どうして?」

姉は私をソファーに座らせる。


「ちょっと話そうか。」

私はめんどくさそうにため息をついた。


「あのね…最近 マリが何を考えてるのかわからない。」

「考えてることわかったら困るわ。」

「それはそうだけど。」

「じゃあ 言うけど・・・・。
好きな人がいるの。その人のことばっかり考えてる。」

「まさか 逸見のこと?」

「卓朗?違うよ。」

「え?ちょっと待ってよ。卓朗のことだって
前言ってたでしょ?」

「そうだった?ただお金持ってるし 車あるし
利用してるだけだけど……。」

姉が心臓を抑える。

「ほんと?だってマリ……。」


「やだな~ちょっとおじさんだもん。
おねえちゃんと同じ年でしょ。
あんまり興味ないよ。ほんとに。」

ごめんね
好きなようなこと言ったよ
それはほんと。


「そうだったんだ。私 心配してたから…
あ よかった……あまりお勧めできないタイプだから
よかった…なんだかほっとしたわ。
あ それで好きな人って誰なの?」

姉はそういうと隣のソファーに腰かけた。 
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