略奪愛の結末
「幸せになってほしいの。マリには絶対。
おとうさんやおかあさんが 納得してくれる人と
その人に送り出すのが私の役目。」

「その人に送り出したら おねえちゃんも
ちゃんと幸せになってくれる?もう私のことばっかり
心配しなくてもいいんだよ。」

「うん。幸せになるように努力するから。」

「わかった。
私 絶対に幸せになるから おねえちゃんのためにも
だから一番応援してくれる?マリが
好きな人と一緒になれるように……。」

「ちゃんとした人なのよね?私のように
家庭を持った人とかじゃないよね。」

「うん。私は無理。それは大丈夫。」

「よかった・・・・。早く会ってみたいな。」

「うん 近いうちに会わせるから…それまで
少し時間をちょうだい。」

「わかったわ。」


久々に姉妹でゆっくりと話した夜だった。


時間


もう絶対に後戻りできない時間……

お腹の赤ちゃんがもう少し大きくなるまで

私にとっては 大きな賭けだった。
篤朗に拒否されないように


愚かなのはわかっていたけど
赤ちゃんも篤朗も 失いたくなかった。

「赤ちゃんがいてくれたら大丈夫。
全部 うまくいくから。元気で大きくなってね。」

私はお腹に語りかける。
< 152 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop