略奪愛の結末
予想通り 篤朗の両親はすごく喜んでくれた。

「うちはね 女の子がいないでしょ。
こういう心使いひとつもなくて・・・・嬉しいわ。
なんて素敵なお花なのかしら。」

「私は母が小さいころに なくなってしまって
だから こんなプレゼントできるなんて
すごくうれしいんです!!」

「何もしないつもりだったけど
ご飯一緒に食べていきなさい~ね?」

篤朗の母親は 本当にうれしそうで
私まで嬉しくなった。

「帰りは送って行くから 入りなさい。」


篤朗の父親もニッコリ笑った。

私は一緒にキッチンに立ちたいとお願いして
エプロンをかりて 篤朗の母親の
手伝いをした。


楽しかった。

母がいたら こうして一緒にキッチンにも
立つことができたんだろうなってそう思うと
なんだか泣けてきた。

「どうしたの?」

「あ ごめんなさい。
何かおかあさんがいたら こうやって
一緒にご飯作ったりできたんだろうなって…
そう思うと泣けちゃいました。」

「かわいそうに……。
でもあなたには立派なおねえさんがいるでしょ。」

「姉を知ってるんですか?」

「この間 卓朗が連れてきたのよ。
お正月だったかしら。綺麗な人ね。」


また 姉が褒められた・・・・。


「自慢の姉なんです。」

そう必死に答える。
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