略奪愛の結末
「今日で私の役目は終わり・・・・
幸せになりなさい。篤朗とこれから生まれてくる
赤ちゃんと・・・マリはこれから
家族をしっかり支えていくのよ。」

朝 家を出る時 姉はそういって
私の頭をなぜた。

「今まで ありがとう おねえちゃん。」

「ううん。私こそごめんね。」

「何が?」

「おとうさんとおかあさん・・・・
私がわがままいったばっかりに 事故にあっちゃって
まだまだ 二人が必要だったマリに
寂しい思いたくさんさせちゃって・・・・
だから私決めたの マリに家族ができるまで
どんなことがあってもマリのために
両親の分まで頑張るって……。
自分が犠牲になったとしても それは
わがままで両親を死なせてしまった供養だって……
そう思って今日まで頑張ってきたの。」


「私はおねえちゃんがいてくれたから
そんなに寂しくはなかったよ。」

「よかった。今まで頑張ってきた全部が
これで救われた。」

「これからだって おねえちゃんは
私のおねえちゃんでしょ?」

姉は 寂しそうに微笑んだ。


「篤朗やママさん パパさんがいるから
私は卒業するかな・・・。」

「次はおねえちゃんが幸せになる番だもんね。
幸せ探ししなくちゃね。」

「そうさせて。」

篤朗のことがなかったら 私にとって姉は
かけがえのない肉親だった。
どうしても どうしても篤朗が欲しくて・・・・

「ごめんね おねえちゃん……。」

姉は私を抱きしめて

「私こそ ごめんね・・・・。」と言った。
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