略奪愛の結末
メグがその情けない男にしがみついた。

「篤朗…大好きだよ。」

「嘘つくな…。こんな最低な男……。
裏切ったんだ……本当はもう顔を見て欲しくないのに…。」

「大好きよ 全部。
優しいんだよ……篤朗 優しすぎ……。」

柔らかい胸を感じる。

「私を愛してくれてありがとう。」

「今だってこれから先だって愛してる。」

「うれしいよ。」

「マリを幸せにする努力はするけど
マリを愛することは絶対にない。」

俺はメグを抱きしめた。

石鹸のいい香り
香水何かじゃなくてメグはいつもいい香りがした。

「メグの匂いは…いい匂いだな。」

「くすぐったいよ……。」

「愛してる……。」

「私も…。」


メグが目を閉じるのを見て もう止まらなかった。


その場でメグを押し倒した。

「抱いて 篤朗・・・・。
これが 最後……。一杯 一杯愛して…。
忘れられないように 刻み付けて……。」

「俺は一生この痛みを忘れないから……。」

メグの腕が首にまきついた。

「苦しまないで これでよかったんだよ。」

「これから先も この想いは変わらない……。
それが俺の メグへの償い……。」

「それだけ愛してくれたら十分だよ。
ありがとう 温かい夢見せてくれて……。」

俺とメグは涙で濡れながら ひとつになる。

「このまま 時が止まればいいのに……。」

情けない俺の言葉がすべてを語っていた。
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