略奪愛の結末
妹がそんな悪魔だとも知らずに
自分の恋を捨ててまで 応援するメグが気の毒だった。

だからよけいに許せない。


メグが許しても 俺は絶対に許せない。

兄貴がいつものイヤな男だったら
メグの綺麗な心に打たれなかったら
ほんとにやられていた。


体が怒りで震える。

俺はマリを幸せにできるんだろうか……。
いや これが俺の自業自得の人生なのかもしれない。


偽りの愛


そしてその愛で生まれる子供

本当に愛してる女を泣かせてまで
別れてきたのに


「篤朗…。」

着物姿のメグが近づいてきた。

花嫁は一人ショットで別部屋に入って行った。


「マリのことお願いね。
わがままで困ったとこもあるけど
篤朗のために変わろうとする努力はかってあげて。」

「そんなこと言うな。
メグに言われたらやだって言えない。」


「うふふ それを知ってて言ってるの。
悪魔でしょ?」

悪魔……

「この悪魔だったら殺してほしい……。」

「もうやめて 篤朗のこと嫌いになるから。
もう終わったんだよ。」

「きれいすぎて……心も顔も体も……
メグが気の毒で仕方がない……。もう マリのことより
自分のことだぞ。」

「わかってるって。大丈夫よ。」

美しく微笑むメグの 綺麗なうなじに 唇を寄せたいと思った。


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