略奪愛の結末
荷物を運び マリとの生活が始まった。

広い部屋
今までの狭さとは大違いで
両親の喜びようも伝わってくるけど
そんな両親をもうまく利用してるマリを
ある意味尊敬した。

俺にとってマリの行動はもう 策略しかない。

母親に甘え笑うマリを見ながら 虫唾まで走る。

利用されてんだよ…
マリに………。みんな……。


「素敵でしょ?けっこうこだわったの。」

楽しそうに説明するマリを遠くで見てる。

「聞いてる?」

「うん 聞いてるよ。一人でやらせて悪かったな。」

「楽しかったからいいの。
篤朗と赤ちゃんと暮らす私のお城だもの。」


優しい言葉くらいなんぼだってかけてやる。
それでマリが幸せなら 簡単なことだから

だけどな ここには愛はない


マリがそれに気づくまで 俺は偽りの幸せを
マリに与えてやるしかない。
幸せにしてね


メグとの約束


「篤朗…大好き。」

「ありがと。」

母親が引っ越しそばを作っていた。

母親に近づいて
「メグは……来てないの?」と聞いた。

「メグちゃんは 今日どうしても来られないから
よろしくお願いしますって電話が来てたわ。」

「そうか。」

愛らしい新妻が 父親にビールを注いでいた。

「お疲れ様です~~。」

あの笑顔も全部……策略なんだろうな
まるで第三者のような気分で 楽しそうに笑うマリを見ていた。
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