略奪愛の結末
不倫の恋が終わって 中絶という痛手を受けて
そして差しのべられた手に心も体も預けた。

若くて逞しくて まっすぐで精悍で
私にとって今まで弟のようだった 篤朗は
いつの間にか ドキドキする男に変わっていた。

恥ずかしがることもなく
ストレートにぶつけてくる愛の言葉

不倫の時の 曖昧な言葉とは違って
私を幸せにしてくれた。


篤朗と心を重ねて そして逞しい体に愛されるたび
私の心は もう篤朗のことしか考えられなくなっていた。

家庭教師にと家に来るようになって
マリと三人で食卓を囲み 過ごす時間も多くなった。
篤朗を見つめる マリの視線が 恋心を語っているのは
私にはよくわかっていた。

篤朗とマリならお似合いね
マリがもう少し大きくなったら……
二人をくっつけてみようかな。


そんなことを考えていたのに
私はもう
篤朗の愛の中で心地よく生きている。


篤朗は…ダメだよ。
今まで マリのために一杯我慢してきたけど
篤朗だけは絶対に渡さない。
マリは若くてきれいなんだもん
相応の彼氏がきっと見つかるでしょう?


篤朗を見つめるマリに気づくたび
私は複雑な思いを胸に抱いた。


篤朗は絶対に渡さないから・・・・。


なのに……篤朗はマリのものになってしまった。
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