略奪愛の結末
篤朗と語り合う未来は いつも温かかった。

「俺とメグ
こどもは多い方がいいな~。
俺 本当は小学校の先生になりたかったんだけど
どうしてか方向が変わっちゃった。」

「先生?」

「篤朗らしかったかも。
たくさんはどうかわからないけど
体力が続く限り頑張るわ。」

篤朗が私を抱きしめる。

「メグが俺の子供を産む……。
想像しただけで 人生がばら色だな~。」

チュッ

短いキッス

「うふふ……。」嬉しくて笑っちゃう。

「何?」

「こんなに好きになっていいの?」

「もっともっと好きになれ。俺がメグを思う以上に。」


幸せすぎて有頂天になっていたそんな時に
病魔が襲った。


子宮を失って…未来を失った気がした。


そして大きな過ちを犯したんだ。


でもそれはあの時点では自分で望んだ結末だったのに
今は 後悔してやまない。


「篤朗の バカ……。
私の 大バカ……。」

冷蔵庫にビールをとりに行った。

マリの部屋が少し開いていて 寝息が聞こえた。
つきっぱなしのテレビを消しに入った。

幸せそうな寝顔……
ついこの間までは癒されていたのに
今は…ついこういってしまいそうになる。


「恩知らず……。」

心の中で叫びながら布団をかけた。

お腹に向けて 拳を振り下ろしたら……
篤朗を奪い返せるのだろうか。

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