略奪愛の結末
もうこれが最後だと思うと 私はいつも以上に
興奮してしまっていた。

今までの私なら 恥じらう事でも
今はもう 恥じらうよりも 隅々まで見て欲しいと
そんな気持ちにもなった。

篤朗が何度も愛してると言った。
私も私も 愛してる……。


天に昇りつめてもすぐに地獄に突き落とされた。
それは もうすぐやってくる
本当の別れがそこまできているから


忘れないで

篤朗が私を忘れないように

マリが私の存在におびえるようになるように


悪は血と痛みをもってそれを 篤朗の背中に刻み込む。


篤朗に突き上げられて この最後のシーンを
絶頂感と哀しみによって最高に達した時

私は篤朗の背中に 爪を立てて
思いっきり引いた。


「うっ!!!」篤朗の低いうめき声に 正気に戻る。

篤朗の胸の中で 息を整えながら
いろんなことを考えていた。

マリ……
この爪痕は私と篤朗が最高に愛し合った証拠
爪痕が薄くなって消えるまで
あなたは私のこと忘れないでね…。

私から幸せを奪った罰


篤朗……

私を愛してくれたこと忘れないで
あなたにとって私は一番でいたいから……。
痛みは私からの 罰……マリを抱いて人生を狂わせたから…
そしてどんなに幸せでも私を忘れないで……
マリを愛さないで……

言葉と裏腹な 女の私が叫んでいる。
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