略奪愛の結末
「メグ…。」

写真を撮り終わった私に声をかけてきたのは卓朗。

「この間はありがとう。」

「ありがとうって言われるとさ…
何か俺 嘘ついて悪かったなって……。」

「ううん。嘘ついたのは マリだもの。」

「それに便乗してメグをいただこうとしたのは俺。」

「ずいぶん素直だね。
きっといい人現れるよ。その素直さが今まで
逸見に足りなかったんじゃない?」

「素直?そうか?
俺としては 褒めてもらえるなら
メグと付き合いたいんだけど。」

「私は無理だよ。まだそんな気にはなれないから。」

逸見には言わないでおこう。

「篤朗のこと 支えてあげてよ。
兄弟なんだからね。」

「おたくのように 素晴らしい人間にはなれません~
自分を犠牲にしたり我慢したり。」

「それも今日で終わりよ。
この日までって決めてたんだもん。
やっとお役ごめんだからこれから私は好きなように生きるわ。」

「マジ?じゃあその時改めて申し込むから。」


卓朗はそういうと右手を差し出した。


「これからもよろしくな。ご親戚付き合い。」

「あ ほんとね。こちらこそよろしく。」

その手を握った。


卓朗が私の手を引っ張って こうささやいた。

「マリちゃんの性格が何か
ひねてるの 今日わかった気がした。」
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