略奪愛の結末
「ひねてる?」

「そう 二面性あるよね あの子。」

「うん それは誰でもそうでしょ?」

「今まで大切にしてくれてた
姉に対して 複雑な思いを抱いている。」

「そう?私?
年頃だから 親代わりの私に反抗するときは
あったけど…イヤね 何?」

「今日の主役は?」

「マリでしょ?」

「違うんだな~~メグが現れた瞬間に
すべての人がメグに注目するんだ。
あれは 可哀そうかもしれないな。」

「意味がわからないわ。」

「みんなの視線はみんなメグがさらっていくんだ。
マリちゃんの胸中は複雑だよ。
今日もその着物姿も アップにした髪の毛も
めっちゃいいよ メグ。」


「やだわ。主役はマリだもん。
そんなに目立ってるつもりはないんだけど。」

「そうか?俺には目いっぱい目立ってるってとれるけど。」


卓朗は勘が鋭い。

「新郎まで見とれてるしな。ヤバいだろうよ。
あとで喧嘩になるんじゃね?」

そう言って笑いながら卓朗は去って行った。


身内だけの式と写真だけの結婚式だった。
今日の日をマリはとても楽しみにしてたから
そんな悪い気にさせたつもりはなかったんだけど

顔をあげると廊下に出てきた篤朗と目が合った。

篤朗の熱い視線が嬉しかった。
近づいてきた篤朗が

「めっちゃ似合う…。押し倒したいくらいだ。」

そう言うとトイレの方向に歩いて行った。
< 193 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop