略奪愛の結末
マリに勝ったんだ…嬉しかった。

最後の最後に私をまた刻みつけることができたかな。

「おねえちゃん 今日ね
一緒にここに泊まろうよ。」

「どうして?初夜なのに?」

「篤朗まだ荷物が終わらなかったみたい
おねえちゃん孝行したらって言われた。」

「あら~嬉しいけど……私も部屋に帰って
片づけなくちゃ。ママさん誘ったら?」

マリの目が光った気がした。

「どうして?いいじゃない片づけなんか。
絶対泊まって!!」


マリの言い方は 強い言い方だった。

「わかったわ・・・・・。」

「やった~~~!!お礼に
今夜は おねえちゃんに感謝の夜にするわ。
何かおいしいもの おごってあげる。」

マリはにこやかに笑った。

隠れて 篤朗と会うかもしれないって顔してた?

「じゃあ 美味しいお寿司がいいな~
回転してないやつ。」

「う~~ん
わかった~~おねえちゃんのおかげだもの。
今夜は おねえちゃんと一緒に寝るね。」

その夜 私は最後の妹孝行をした。
優しい姉を演じるのは もう苦痛だった。

「篤朗と喧嘩したら いつでも帰るから
部屋は開けておいてね。」

マリが言った。

「わかったよ。」笑顔で答える私。

でもね もうあそこにはいないから・・・・・。
あなたの願うように 二人の前から姿を消すね。

篤朗を愛してるから・・・・
苦しめたくないの。
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