略奪愛の結末
「もう おねえちゃんいないんだから……。」

そのために姉は姿を消したはずなのに
いつまで私は姉の亡霊と戦い続けるんだろう。

よくできる優しい姉
妹のために犠牲になっているのに
文句ひとつも言わず


妹のために・・・・

妹のために・・・・


私が何か悪いことしたの?

小さいころに両親を失って…さびしい思いもしたし
友達みたいに贅沢も望まなかったし

それなりに姉を尊重してきたじゃない。


私だって気使ってきたわ。

「おねえちゃんをみんな 美化しすぎなんだから。」

鏡に映った大きなおなか

「大丈夫だよ。おねえちゃんにはできないことが
私にはできるんだもん。
ここにいるのは篤朗と私の赤ちゃん……
きっときっと篤朗も 変わってくれるよ。」

大丈夫

大丈夫


私は永遠の妻の座を手に入れたんだ。


堂々としてよう。
きっと 篤朗は私を愛してくれるから


それまで強くなろう。
姉はもういないんだ・・・・・。


姉の性格だから 篤朗に連絡してるとも思えなかった。

私の勝ちよ・・・・・。

何度も言い聞かせるようにつぶやいた。
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