略奪愛の結末
ネットの料理アプリで 夕飯を作るけど
もっと姉の手伝いをしておくべきだったと反省。

姉のように冷蔵庫の中のものを使って
チョイチョイとはいかなくて
結局向かいのスーパーで 材料を調達して……
そんな感じ。


それでも篤朗は文句を言わないで食べてくれた。

「おいしい?」

「うんおいしいよ。」

比べちゃダメって思っても 姉の料理を
かきこむように食べて おかわりを要求していた
篤朗とは別人だった。

「ごちそうさま。」

「おかわりは?たくさんあるんだよ。」

「もう たくさん。
うまかったよ。」

そういうと茶碗をさげて さっと洗って
食洗機にいれる。


篤朗は何も言わず 家事を手伝ってくれた。

「けっこう作ったんだよ。
篤朗 大好物だったじゃん?」

「保存してまた 出せばいいじゃん。
うまかったからさ。
俺 一人暮らしして 太っちゃってさ…ヤバいから
少し作るの少な目でいいよ。
それより マリが食えよ。
赤ん坊も欲しがってるだろ?」

「私だって太っちゃったもん。
あ そうだ~~来週ね どっちか聞こうと思って。
夜間診療もしてるし 篤朗時間とれない?」

篤朗は新聞から目をそらさずに

「今 難しいな・・・・。月末だし・・・。
悪いけど一人で行ってきて
どっちかは メールしてよ。」

「わかった。」

冷たいわけでも 無視するわけでもない・・・・。
だけど 篤朗の心はここにない

そう思うようになっていた。
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