略奪愛の結末
お腹が大きくなって篤朗は 早く帰ると
布団を敷いてくれるようになった。

だけど いつも布団の間を広くする。
それがイヤで私は間の隙間を 布団を引っ張って
直していた。

そこにも篤朗の拒否感を感じてしまう。

「篤朗 また布団離したでしょう。
くっつけてよ。離されると怖いんだから。」

「あ ごめん。」

「ほんとは一枚でいいんだもん。
一緒に寝たいのに。」

「お腹に何かあったら大変だから
俺 寝相悪いだろ。」

篤朗は寝相 ホントに悪い・・・。

それならいいけど・・・・
お腹がひっこんだら 寝てくれる?


抱いてくれる?


指一本 唇さえも篤朗は触れない。

「妊娠してても臨月になるまえは
やってもいいんだよ。本に書いてるもん。」


妊婦雑誌を篤朗に見せた。


それをさっと読んで
「それでも 心配だから いいよ。」
呆気なく答える。

私の方が爆発しそうだった。
こんなに近くに愛する人がいるのに
いつも篤朗の寝顔をながめるしかできない。


本をテーブルに置いて立ち上がった篤朗に
抱き着いた。

「じゃあキスして・・・・。
キスならいいでしょ?」

篤朗は少しため息をついた。

「キスして・・・・。」

ドキドキしながら 目を閉じた。

篤朗の唇を感じた。

体中が溶け出しそうだった。

冷たい唇を感じながら私はその唇に必死に
吸い付いていた。

好きで好きでたまらない・・・・・。
私の想いはとまらない・・・・・。
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